このブログのトップへ こんにちは、ゲストさん  - ログイン  - ヘルプ  - このブログを閉じる 
めちゃくちゃな内容?
[日本の政治]
2019年1月28日 23時50分の記事

本日から通常国会が始まりました。

「施政方針演説の全文」(2019年1月28日 日本経済新聞)

【PR】Licom高画質ライブ配信・通話システム


本日招集された通常国会で安倍首相が施政方針演説をしましたが、その中で経済政策について「成長と分配」ということを述べています。この言葉、ポスト・ケインジアンの著書名にも使われていますが、施政方針演説でこの言葉を聞いて、これではまたダメだろうと率直に思いました。この施政方針演説での本質的な意味は、成長しないと分配はないということでしょう。つまり、成長があってはじめて、そのおこぼれの分配がありますと言うことですから、基本的に新手のトリクルダウンにすぎません。
この施政方針演説では、第二次安倍政権発足以降、アベノミクスで経済が10%伸びたと言っています。しかし、GDPというのは付加価値の総計、つまりお金が動けば上昇するにすぎませんから、アベノミクスでの積極財政策や金融緩和政策をすれば当然お金が動きますから、寝ていてもGDPは伸びるのです。つまりアベノミクスではGDPは必然的に上がるので、それは成長とは言わないわけです。だから、数字上では好景気が続いているように見えるだけで、実態はそうではないわけです。そういうことを差し引いて考えなくてはならないのが、アベノミクスで、本当ならこの6年でGDPが20%くらい伸びていないとアベノミクスの効果があったとは言えないわけです。
このことを人体に例えて言うなら、血液を失って危機的な状況にあるとき輸血をして、それで血液量が増えたからと言ってもそれは健全に戻ったとは言わないわけです。血液を自力で増やしことができるようになり、患部を治ってはじめて健全ということになるわけですが、現状はずっと輸血状態であるわけです。これで健全に戻った(成長)と言えるわけがないのです。
だから実感なき景気回復ということが起るわけです。実感がないわけではなく、実質的に成長していないのですから、それは実感できるわけはないのです。
実際は、成長という言葉で投じられた資金がほとんど実を結んでいないわけです。だから、このようなことになるわけで、安倍政権による壮大なる資金の無駄遣いがその本質にあるわけです。だから、消費も良くて横ばいということで、全く経済に勢いがないわけです。このような状況で問題になるのは、この壮大なる無駄遣いについての徹底的な精査です。
この施政方針演説は、政府の統計や公文書がいい加減な内閣らしい内容、つまり失敗を取り繕うのに必死ということしか感じられないものです。マクロ政策(積極財政政策や金融緩和政策)の効果は遅くとも大体3年くらいから出てきますので、既に1年、2年前から分配がなくてはならないわけですが、6年も経っているのに何も効果がないから、そういう方向にいまだに動いていないわけです。これでは「分配」という国民に還元するイメージの言葉を使って政権維持をはかろうとしていると考えるのが自然です。
オリンピックの効果と言われますが、都民がこの恩恵を感じるというのは極めて限定的、一部のことでしょう。今後、この恩恵を都民が感じることはないと考えます。アベノミクス、オリンピックということが喧伝されてきましたが、その内実は乏しいというのが実情でしょう。

今必要なのは分配
まず、マクロ政策をするのなら分配を最優先に考え、すべきであったのです。このことはアベノミクスが始まった6年以上前からずっと言っています。この分配とは所得だけではなく、労働環境、減税などが入り、可処分所得の増大を意味しますが、安倍政権はその反対にずっと走ってきました。だから、実のある成長が起きていないで、壮大な無駄遣いになっているわけです。
この分配こそが、成長をもたらすのです。分配が行われて、家計において明日の生活に希望が見え、長期的に計画を立てようと考え始め、動き始めるわけです。今のような政府の国民に対するケチ臭い、意地が悪い政策では明日の生活に希望が見えず、守りに入るわけです。それでは消費は最低限になり、経済が広がっていかないわけです。そういう所に、安倍政権の景気が良いという旗振りが行われては、それは実感なき景気回復になるのは当然です。
分配が成長をもたらすのです。これまでの安倍政権で行われた限定的な成長戦略では成長していませんし、できません。それはそれが間違っていたからです。しかし、このことをこりもせずに安倍政権は続けてきたわけですから、成長は期待できなく、何も実を結んでいないわけです。施政方針演説では成長と分配と言っているのですが、これでは当然、分配はいつまで経っても起らないわけです。
なぜ、成長しないかというと、成長のためといって資金を享受したものが、全体の一部だからです。これは一部の者だけの利得になっているということです。そこに恣意性ということが当然、考えられるわけです。積極財政政策、金融緩和政策において最も注意しなくてはならなことは、戦争とこの恣意性であるのです。恣意性とは利権ということですが、ほとんど成長をしていない第二次安倍政権以降、成長していないからこそ、この恣意性と言うことは必然的に考えなくてはならないのです。
今の日本に必要なまず分配、そして消費税などを減税して可処分所得を増やす方向しかないのです。本当の方向性は成長と分配ではなく、分配と成長なのです。
「めちゃくちゃな内容?」(2019年1月29日)へ続く。

このブログへのチップ   0pts.   [チップとは]

[このブログのチップを見る]
[チップをあげる]

このブログの評価
★★★★★

[このブログの評価を見る]
[この記事を評価する]

◆この記事へのコメント
コメントはありません。

◆コメントを書く

お名前:

URL:

メールアドレス:(このアドレスが直接知られることはありません)

コメント:




◆この記事へのトラックバック
トラックバックはありません。
トラックバックURL
https://kuruten.jp/blog/tb/katagiri/421681
くる天

◎ 必読の書

○ 『餓死した英霊たち』

○ 『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』

先の大戦も、現在も日本国民を大切にしない政治。この2冊がそのことを雄弁に物語ります。

○ 『CIA日本が次の標的だ―ポスト冷戦の経済諜報戦』


◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
本ブログについて
日本と世界の政治経済の本質を読み解く-ブロくる
片桐勇治(政治評論家) さん
日本と世界の政治経済の本質を読み解く
地域:東京都
性別:男性
ジャンル:ニュース
ブログの説明:
世界は大きく変わり、新しい時代が胎動しています。しっかりと把握していますか? この時代を読み解くには歴史を見つめ、構造を把握し、パワーの心奥を見つめ哲学を持たなくてはなりません。一緒にこの新しい時代を見つめて行きましょう! 最低週1回の更新です。
プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
ブログ内検索

カレンダー
<<2019年01月>>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
カテゴリ
全て (1460)
日本の政治 (1371)
ザ・フナイ (15)
中東情勢 (4)
アジア・太平洋情勢 (2)
戦争の構造 (3)
世界の読み方 (15)
書評 (1)
勉強会・講演会のお知らせ (3)
本ブログの重要記事

注目です!

「韓国のリベラルはとてもレベルが高い」(21年2月3日)←New!
「やはりイギリスが言い始めた」(21年2月4日)←New!
「東京オリンピックは2022年に開催すべき」(20年12月31日)←New!

値千金のブログ記事:岡田晴恵特任教授、国のコロナ対応に激怒!番組出演中に声を震わす 「このままだと3月4月にピークがきます」 (20年2月25日)
○本ブログ「この緊急時にこの政権の遅さは致命的? 」(20年4月16日)
○本ブログ「アメリカ政府が認定した当然のこと」(20年4月4日)
○本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(20年4月1日)
○本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(20年4月4日)
「ノーベル賞受賞者が新型コロナウイルスの早期回復(終息)を予測した理由:「我々は良くなっていく」(訳文)」(20年3月23日 ロサンゼルス・タイムズ)
最近の記事
11/28 22:44 兵庫県知事選 選挙期間中に『個人のボランティア』と確認しているのだろうか?
11/27 13:30 候補者と選挙コンサル 踏まえておくべき重要な1つの視点
11/27 10:02 兵庫県知事選 口約束ということが意味することは何か?
11/26 22:47 兵庫県知事としての斉藤氏の本質は何か?
11/25 21:33 斉藤・PR会社問題 これはちょっと安すぎるという感想
11/25 15:59 ゴゴスマでの明らかにおかしい議論
11/18 23:50 今回の兵庫県知事選の最大にしてほぼ唯一の争点は『マスコミ報道の信頼性』
11/13 08:50 石破さんの素晴らしい言葉
11/08 11:07 FRBの利下げをいかに考えるか
11/08 06:22 トランプ時代の日本には石破さん以外の選択肢はない――むしろ天の差配
携帯用アドレスQRコード
QRコード対応の携帯で、このコードを読み取ってください。


Copyright (c) 2006 KURUTEN All right reserved